後藤真希による「Gloria」全曲解説

2011年1月12日発売です。

「足跡」

「足跡」はラブソングです。
作詞家さんにお願いしたいのは、単純に「好き・嫌い」とかだけでは言い表わせない感情を歌いたいってこと。不器用だけど…夢を追い掛け続けている大切な相手を想う気持ち、共に歩んで行こう、足跡を残していこう!という気持ちを表現したいと。
だから、ラブソングなんだけど、女性の強い意志を歌い上げた曲になっていると思います。
この楽曲の制作をしていて私が感じた事。
女性だって相手に対して、この先どうなるかわからない今を不安に感じているはずなのに…「あなたの言葉で足跡を残していける」だから「あなたの隣で足跡を並べていこう」
覚悟決めてられるなんて、羨ましいけど、切なくもあるなぁ…って。歌いながら、そんなことを考えていました。
とにかく力強い楽曲を歌いたかったので、ロックに振り切ったサウンドは、私にとっては違和感はありません。
この先、「足跡」を歌いながら、私とこの曲がどう成長していけるのか、自分でも楽しみです。

「花束」

この楽曲は、制作が思ったより中々進まず、歌詞やアレンジについて、スタッフと何度も繰り返し話をしました。最初のデモの段階では、雰囲気がレゲエっぽくて、テンポも早くて…。でもサビのメロディがとっても印象的で、気になって、選んだんです。で、それをどのような方向性の曲にまとめていくか…本当に悩みました。
想いとしては、自分を含めこの曲を聴いた人が、「暖かい気持ち、何か踏み出せる一歩に繋がる」そんな気持ちになれたら良いな…と固まり、アレンジャーの方とも話を重ね徐々に出来上がっていきました。
パッと聴くと可愛らしい印象をもつ方もいらっしゃると思います。私がこだわったのは、ピアノの音が綺麗に響く曲にしたかったこと。歌録りの翌日、ピアニストの方にスタジオまで来ていただき、グランドピアノを演奏してレコーディングしたんですよ。
「大きな花束、大事な花束」とサビの歌詞にあります。一つ一つの経験、気持ちが積み重なり、思い出となる。そんな想いを一輪の花と例え、花束になっていく。そういう意味です。特に、2番のサビにある、「雨の日も輝けば愛しさで彩づくよ」この部分が好きです。
嫌な事でも、時間が経つにつれて「あんな事もあったよな」なんて笑える日が来るじゃないですか。そんな風に、自分の経験、歩んだ日々を愛せたら素晴らしい事ですよね。
自分以外の誰かに対しても同じ事。誰かに助けてもらえた、勇気をもらえた、そんな事に素直に感謝出来る心。今の自分に出来る「ありがとう」の気持ちを笑顔で贈れたら素敵な事だと思います。
この曲を聴いた人が、皆さん自分らしい綺麗な花束をつくれたら良いな。

「恋一夜」

この曲との出会い…。私と私のスタッフとで、Gloriaの収録楽曲を決める為に沢山のデモ曲を視聴していたとき、「工藤静香さん」みたいな声がした曲(笑)。デモだと思っている曲達の中に工藤静香さんの曲が入っているとは思わなかったのでとても驚きました!
初めて聴いた曲なので、タイトルさえ全くわからず。「名曲だから!」「似合うから!」
とスタッフからの押し押しなアプローチもあったので、少し考える時間をもらったんです。
パッと聴いて「よし、これでいこう!!」 なんて、言えないんです。私。作品となる楽曲は真剣に選びたいですしね。
色々観たり聴いたりして何度も考えました。カラオケに行って実際に歌ってみたりもしました。そうしていくうちに「…良いかも」って思い始め、更にサビのラストのパート……「な〜ぜ〜」をふと気付くと何度も何度も繰り返し歌ってる自分がいたんです。気付いたら歌ってたりする事ってありませんか?!不思議だけど、心地いい感じでした。
この曲は1988年にリリースされたんですけど、そのとき私はまだ3歳。22年経った今出会って、あの工藤静香さんの曲を私がカバー。素敵です。
私の恋一夜のアレンジはギターが目立つ…というか、ほぼギターメインな…シンプルでタイトな、大人っぽい曲に仕上げました。最近、イベントなどでギターだけの伴奏でこの曲を歌うことが多いですけど、あれはこのアレンジを進めている最中に出てきたアイデアです。
歌詞は大人になった今だからいろいろ理解して歌い上げられる、色っぽくてちょっと切ない内容。私が新鮮に聴け、歌えた様に、この曲を聴いた方が「私も!」「僕も!」と新鮮に響くと嬉しいです。そして恋一夜体験世代の方には、懐かしい様な気持ちも持ちつつ、
新たな恋一夜として、聴いて、歌って欲しいなと思います。
良い曲は世代を越え、渡り続けるのですね!!!

「Fake」

この楽曲はまだa-nationに出ている頃、最初の制作ミーティングでスタッフからの提案としてオススメされた曲でした。ハードなロック調の曲は今までの私のイメージには無かったので新鮮でした。
移動中の会話などで楽曲の雰囲気をスタッフとうまく共有出来て、アレンジに関してはすんなりと決まっていきました。
歌詞については、作詞家さんと何度も話し合いました。デモを聴いたときから、テーマは自分の中で「完結しない恋愛…」と大枠決まっていたものの、それをどうやって歌詞に綴っていくか…。悩みました。
私は自分の性格として…自分に起こった出来事、気持ち、行動をついつい客観視する癖があります。恋愛においても、自分のことをまるでドラマの登場人物のように客観視してしまうことが時々あるんです。何処かさめているような感じ…。昔はそう思っていました。
だけど、ここ数年で気付いたのが、
私は強い人間ではない。
でも弱さを感じたくない。
ということ。つまり、物事を客観視する事で、痛みや苦しみを和らげているのかな、と。
そんな自分の恋愛観の一部を表現にしようと作詞家さんと試行錯誤したのが「Fake」の歌詞です。「Gloria」の中では独特の世界観で描かれた楽曲ですが、他の曲と同じく、今…私が感じている事、憧れ、経験が描かれている作品。
歳を重ねて経験を重ねて、これからもこうやって一曲一曲を大事に作っていきたいです。

「アゲ♂曲」

この曲はデモを聴いた段階からカナリ気になっていた楽曲。
他のデモとも聴き比べたりしてましたが、とにかくサビがお気に入りで、毎朝寝起きと共に、この曲のデモをかけてテンションあげてました☆ まだ仮詞だし、この曲を収録するとも決めていないのに、自分流に勝手に歌詞を作って口ずさんだり…。だから、「Gloria」の選曲打ち合わせをした時にこの曲を収録しようという声がスタッフからあがったときはHappyでした。いや、だって、本当に気持ち上がる曲だったので、素直に「おしっ★」って思えた。
そこからアレンジや歌詞を煮詰めていったわけですが、私的に思っていたのは「この曲はLIVEで盛り上がれる曲になったらいいなぁ」ということ。どうやったら自分も含めLIVEに来てくれるお客様も盛り上がれるか?!をひたすら考えてました。
歌詞…とにかく今この瞬間を楽しむ・感じる・吐き出す。楽しむ事にルールなんて要らない。(最低限のマナーは別として。笑)
アレンジ…例えて言うならば、タンスの中に綺麗に整理整頓するのではなく、宝箱の様に、沢山の宝、要素、夢が詰まった感じ。アレンジャーさんと話をする中でいい意味で色々な音の方向性を話し合えたのは楽しかったです。
そしてタイトル!!
何故「アゲ♂曲」にしたか…。実はこの曲のタイトルはギリギリまで決められずでしたが、アガる曲だから、制作中はスタッフとずっと「アゲ曲」と呼びあっていて、それで締め切りがきたから、移動するクルマの中でみんなで話し合って、これは「アゲ♂曲でいこう★」となったのでした!(笑)
色々書きましたが、一言で言えば、「騒ごうぜ」って話です♪
LIVEでいずれ歌う時には、皆さんも掛け声バッチリでのぞんでくださいね!